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2021/08/31 10:43


蝶ネクタイには「手結び型」と「作り結び型」があります。ここでは「手結び型」の結び方について解説いたします。

当ブランドの蝶ネクタイの結び方は、細かく分類すると20種類以上あります。「歴史的に存在した結び方」や「ネクタイやアスコットタイと同じ結び方」、「新たにブランド独自に考案した結び方」などがあります。

商品のデザイン形状の特徴や、使用している生地素材によって不向きな結び方もありますので、「全ての商品」が「全ての結び方」に対応できるわけではございません。

対応できる結び方の詳細は、各商品ページの「結び方画像」からご確認いただけます。


蝶ネクタイの結び方 23通りリスト
1.蝶結び (Basic bow knot) 
2.平行結び (Parallel bow knot)
3.交差結び (Cross bow knot)
4.片わな結び (One-sided ring knot)
5.片なが結び (One-sided long knot) 
6.垂らし結び (Drop bow knot) 
7.小型結び (Small bow knot) 
8.くわ形結び (Kuwagata knot) 
9.いちご結び (Strawberry knot)
10.尾垂れ結び (Tail knot) 
11.蝶下げ結び (Mix knot) 
12.叶結び (Buckaroo knot) 
13.下げ結び (Plain knot) 
14.合掌結び (Regate knot) 
15.又の字結び (Gordian knot) 
16.止め結び (Overhand knot) 
17.覆い結び (Covered knot) 
18.本結び (Square knot) 
19.四つ葉結び (Four-leaf knot) 
20.平行・交差結び (Parallel-cross knot) 
21.ねじり結び (Twist Knot) 
22.手なが結び (Long hands knot)
23.山結び (Mountain knot) 


1「蝶結び」は蝶ネクタイの最も基本的な結び方です。手結びの魅力は、中心部分を絞る時に「縦に入れるプリーツ」や、「両側にできるシワ(ディンプル)」の美しさが演出できる点とも言えます。美意識に正解はないからこそ、自らの感性で楽しむことができます。



2「平行結び」は19世紀後半頃によく見られる結び方です。結び目の中心にシワが入らないように、上下の水平ラインをほぼ平行にする結び方です。蝶結びと同じ手順ですが、絞るのではくピタリと巻き付ける感覚で結ぶのがコツです。日本でいう袴の一文字結びと見た目が同じです。


3「交差結び」も蝶結びと同じ手順ですが、角度を斜めにずらす結び方です。19世紀後半から20世紀初頭にかけての蝶ネクタイで、最も多く見られる結び方の1つです。角度に決まりはありませんが、蝶結びとは明らかに違った印象を与えます。



4「片わな結び」は19世紀前半まで西欧人に普及していたクラバット(Cravat)というネックウェアの結び方の1つであったと考えられます。2つの剣先を同じ方向へ結ぶことが特徴です。手順はやや異なりますが、日本では伝統的な着物の帯結びの1つでもあります。



5「片なが結び」は交差結びと同じ手順ですが、片側だけを極端に長くして交差に結びます。左右非対称で印象的なシルエットになります。19世紀中頃のイタリア人画家「ベルナルド・チェレンターノ(1835-1863)」の肖像画に描かれた結び方がモチーフとなっています。



6「垂らし結び」は剣先を下に垂らす結び方です。生地の柔らかなスカーフのように、結ぶと自然に末端が垂れるものは別として、軽さと硬さのある蝶ネクタイの場合は、意図的にシルエットを作る手順が必要です。歴史的には紅茶ブランド創業者「トーマス・リプトン(1848-1931)」が、このシルエットを愛用していました。



7「小型結び」は通常の蝶結びより、水平幅を小さく結ぶ方法です。標準的な蝶ネクタイは約12cmですが、小型結びは約9cmが目安です。イラスト手順の他にも、ベルト部分をかなり短く金具調節して、単に蝶結びする選択肢もあります。歴史的には英国の元首相「ウィンストン・チャーチル(1874-1965)」が、恰幅良い体型に小さなボウタイ姿がトレードマークでした。



8「くわ形結び」はその名の通り、武士の兜[かぶと]の鍬形[くわがた]に似ていることから、当ブランドで独自に名付けました。交差結びと同じ手順ですが、結ぶ際に輪になる部分を長く引き出すことで、印象的なシルエットになります。アメリカの歴史家「ウィリアム・プレスコット(1796–1859)」の、1850年代のストックタイに同様の結び目を確認することができます。



9「いちご結び」はその名の通り、いちごの形に似ていることから、当ブランドで独自に名付けました。手順は寸法を最大限に長くとった状態で蝶結びし、残りの剣先をタイピン等で交差して固定します。歴史的にはアメリカの軍人「アルフレッド・アイバーソンjr.(1829-1911)」の、1860年代のクラバットの結び方に確認することができます。



10「尾垂れ結び」は片側の剣先を尾っぽのように垂らす結び方です。結ぶ手順は当ブランドで独自に研究し導き出しました。歴史的には、意図的にこのシルエットに結んだと見られる証拠を、蝶ネクタイが普及し始めた1850年代頃の肖像写真などに確認できます。



11「蝶下げ結び」は「蝶結び」と「下げ結び(Plain Knot)」をミックスした形にする結び方です。結ぶ手順は「尾垂れ結び」と同じですが、結ぶ際に垂らす分量が多くなるよう調節する必要があります。歴史的には、蝶ネクタイでは確認されていませんが、イギリス人小説家の「トーマス・ハーディ(1840-1928)」が、ネクタイをノット部分で小さく蝶結びしている肖像写真が残っています。



12「叶結び」は、結び目に4つの四角を形作る結び方です。歴史的にはアメリカのカウボーイ・スカーフの結び方の1つとして「Wild rag knot」や「Buckaroo knot」と呼ばれています。また日本でも着物の羽織ひもの結び方などとして、古くから縁起が良いものとして知られています。



13「下げ結び(Plain knot, Four-in-hand knot)」は、ビジネス用の結び下げネクタイ(Four-in-hand tie)の由来となった結び方ですが、蝶ネクタイでも結ぶことが可能です。歴史的には20世紀前半までは、非常に短いネクタイも存在していました。



14「合掌結び」は「下げ結び(Plain Knot)」した後に、敢えて剣先を左右に広げる結び方です。歴史的に1900年代初頭には、この形状に予め結び縫われている短いネクタイも普及していました。フランスの商業広告などに「Régate/英語でRegatta(レガッタ)」という名称で確認できます。和名は独自に名付けました。



15「又の字結び」は「本結び(Square knot)」した後に剣先を交差し、ピンなどで留め付ける方法です。歴史的に元は「Gordian knot」というクラバットの結び方の1つと考えられます。その後にプラストロン(アスコットタイの旧称)の結び方として普及し、明治期の日本ではその見た目から「又の字」や「蝉型」と呼ばれました。



16「止め結び」はあらゆるネックウェアで使われてきた、最もシンプルな結び方です。蝶ネクタイではリング等で留め付けると収まり良くなります。歴史的には17世紀中頃から18世紀前半にヨーロッパ貴族から普及した「レース・クラバット(初期のクラバット)」「ネッククロス」というネックウェアの典型的な結び方でした。



17「覆(おお)い結び」は結び目を覆い隠す点で、見た目は「止め結び」とほぼ同じですが、最初に結び目を形作る手順が入るのでボリュームが出ます。剣先の長さをズラすなどして、ネクタイピンやリングで留め付けると収まり良くなります。歴史的に海運王「アリストテレス・オナシス(1906-1975)」のネクタイを覆う結び方写真から「オナシス・ノット」と同義語扱いしていますが、手順は他にも複数考えられる結び方です。


18「本結び」は「止め結び」を左右から一回ずつ結び、四角い結び目をつくる方法です。歴史的には17世紀中頃から19世紀中頃までの「クラバット」の結び方として、稀に確認できます。別名「Sailor’s Knot(セーラー結び)」と呼ばれ、19世紀以降は欧米の海軍服用スカーフの結び方として普及、後に子供服や女学生のセーラー服へと繋がっていったようです。



19「四つ葉結び」は「四つ葉のクローバー」からインスピレーションを得て、当ブランドで独自に考案した結び方です。手順は「蝶結び」をした後、各4つの角を回転させて増し締めします。柔らかな素材を使用しピンなどで留め付けると、シルエットが固定されやすくなります。細幅の蝶ネクタイで結ぶと、十字架の形にもなります。



20「平行・交差結び」は「平行結び」と「交差結び」を兼ね備えた結び方です。変形していない復刻版シルエットの「手結び蝶ネクタイ」だからこそ可能な、オーセンティックな風合いの結び方です。歴史的には19世紀後半の肖像写真でしばしば確認できます。



21「ねじり結び」は当ブランドで独自に考案した結び方です。手順は「蝶結び」した後に意図的にねじることで、ユニークな立体感を出します。明確なシルエットを出すためには、剣先の幅が6cm以上あることが望ましいと考えられます。



22「手なが結び」は分量を多くとり「蝶結び」の端を長く伸ばす結び方です。こちらも復刻版シルエットの「手結び蝶ネクタイ」だからこそ可能な、オーセンティックな風合いの結び方です。歴史的にはメキシコ皇帝「マクシミリアーノ1世(1832-1867)」や、イラストレーター「オーブリー・ビアズリー(1872-1898)」の蝶ネクタイが印象的です。



23「山結び」はその名の通り山の形をつくる結び方です。作曲家「リヒャルト・ワーグナー(1813-1883)」の結び目を参考に導き出しました。剣先は両側の斜め45度に垂れ下がるので、水平方向に結ぶ「蝶結び」とはまた違う印象になります。



結び方の手順は動画でもシェアしております。

「蝶ネクタイの結び方 簡単講座 結ぶ人アングル」



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